戦慄のリゾット

035

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「う……ここは……」 重傷のリゾットが目を覚ましたのは花京院との戦いに敗れ、花京院が港を去ってから2時間も後の事だった。 次第に空が白んで行く中リゾットは激しい憎悪に駆られていた。 (あのガキィィィッ!こんな目に合わせやがって……次に会う事があったらこのオレの痛み以上の苦しみを与えて殺……) 『リーダー、オレたちチームは、そこら辺のナンパ・ストリートや仲良しクラブで“ブッ殺す”“ブッ殺す”って大口叩いて仲間と心を慰めあってる様な負け犬どもとは訳が違うよな。 “ブッ殺す”と心の中で思ったならッ!その時既に行動は終わっているんだぜッ!』 憎悪に駆られそうになったリゾットの脳裏に部下の一人であるプロシュートの言葉が過ぎる。 (すまねぇプロシュート。いくらやられたからって軽々しく殺すなんて言うもんじゃあねぇ。 そして生きてるからにはたとえこの身が朽ちようと、身が朽ちるその最後の最後まで食らいついてやって……そして勝利をもぎ取る。 オレはまた戦うぞ……) とりあえず殺人ゲームに再び参戦する事を決めたプロシュートはまず両手の拘束を解く事にした。 『メタリカッ!』 リゾットがスタンドを発動するとリゾットを縛っている服に向かって鉄柱からメスが数本飛んでくる。 メスはリゾットを縛る服に刺さり、切り裂くと地面に落ちた。 精度が良い訳ではないので多少手をかするもその前のダメージに比べたら実に些細なものである。 これでリゾットは自由になった。 (まずは……そうだな。この身を癒さなくてはな……戦うのはその後で良い) リゾットはケガでふらつきながらも歩き出す。 (こんな事になるとは……あの荒木という奴も倒してやる……名簿を見たところプロシュートとギアッチョの奴がいるみたいだ。合流すれ…… いや、待て……アイツらはブチャラティ達と戦って死んだはずッ!何故生きている?) リゾットは想像もしていなかった展開に驚く。 (バカな!死んだ者を甦らす等不可能なはずだッ!ましてやそれを一ヵ所に集めるなんて時空や空間を超えるなどしなければ……『時空や空間を超える』? まさかッ?!) リゾットはある仮説に達した。 (時空や空間を超える!それがあの荒木とかいう奴の能力か!) リゾットは自らの仮説に背筋が凍った。 (時空などを超える能力……それならプロシュート達が甦っているのも納得だ! しかしそれはこういう事でもある。 この街に恐竜などを連れて来る事も可能だ…そんなの相手に勝てるのか?) リゾットは思った。 (何にしろ今は仲間が欲しい。プロシュート達を探すんだ。もしかしたらこのゲームにボスも参加してる可能性もある。 あのガキにもリベンジがいるだろう……が、今はそんな事はどうでもいい。せめてアイツらに奴の能力だけでも伝えなくては……) そう考えたリゾットはプロシュート達を探し求めて朝靄の中に消えていった…… 【港(I-9)/一日目/早朝】 【リゾット・ネェロ】 [スタンド]:『メタリカ』 [状態]:重傷 [装備]:なし(ハリセンは捨てました) [道具]:食料類が無い支給品 [思考・状況] 1)傷を少しでも癒さなくては…… 2)あのガキ殺s(リーダー、殺すと心の中で思った時には既に行動は終わってるんだぜ) 3)荒木の能力……何て恐ろしいんだ!あのガキや組織のボスなんて今はどうでも良い!早くプロシュート達に知らせてやらなくては! 4)プロシュートが死んでる事は知らない リゾットが荒木の能力の一部に気付きました。

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