『吉良吉影は静かに暮らしたい』
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戻る今年はまさに厄年だ。どうしてこうもトラブルが重なるのだ。 私の生活を脅かす奴らは仗助たちだけで充分だ。 なんなんだ。あのアラキとかいう男は!私がおまえに何をしたっていうんだ! 「これは、夢だ。植物のように平穏な生活を望むこの私が、こんな下らない争いに参加させられるわけがない」 吉良は爪を噛んだ。爪が割れ血が吹き出したが噛むことを止めなかった。 ブツブツとアラキに対しての呪いの言葉を呟きながらひたすら噛んだ。 「支給品は・・・・支給品はなんだ・・・」 左手の爪を噛みながら右手をデイパックへと伸ばす。 そういえば『アラキ』に殺されたのは私が殺したはずの少年だったな・・・な ぜ生きていたのだ・・・・殺したはすなのに・・・ええい!そんなことはどうでもいい! 問題はどうすれば・・・どうすればこの異常事態を身体的にも精神的にも平穏に乗り越えられるのか・・・・ デイパックを弄りつつ吉良吉影は考える。 指先が何かに触れた。何かよく分からない形をしているが触った感触はとてもいい。これは・・・これはまさか・・・・ 吉良吉影はその物体を掴みデイパックから取り出した。 取り出した物体を見て吉良吉影は顔をほころばす。 「ああ・・・・また会えてうれしいよ・・・美奈子さん・・・・私のピンチを知って駆けつけてきてくれたんだね」 吉良吉影の支給品それは彼の大好きなもの、女性の手だった。 吉良吉影は爪を噛むのを止めた。吉良が噛んでいた爪の割れ目は『かつ』という二文字を形作っている。 「美奈子さん、正直に言うよ。私はさっきまで完全にビビっていたんだ。 でも今はビビってはいない。君が来てくれたからさ。」 吉良吉影は美奈子の手を握り語りかける。 「美奈子さん、このゲームどんなものであろうと私がすることは一つだけさ・・・平穏に生活する。そしてそれを邪魔する者は確実に始末する。 そう、今まで通りに生きていけばいい。」 吉良吉影は立ち上がり歩き出した。 「駅は危ないから私の家に行こうか。君の得意料理はなんだい?」 【杜王駅前・一日目 深夜】 【吉良吉影】 (川尻耕作) [スタンド]:『キラークイーン』 [時間軸]: 早人と風呂に入る直前から参戦 [状態]:心身共に健康 [装備]:美奈子さんの手 [道具]:支給品一式 [思考]:1)自分の家に行く 2)美奈子さんと平穏な生活をする(出来る限り戦いたくない) 3)仗助たちを警戒 [備考] 吉良は、仗助たちは川尻耕作が吉良と気づいていないと思っています
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